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「ワインに込められた作り手の心」
 

かつて葡萄酒と呼ばれ、かしこまった席でたしなまれる高級なお酒であったワインは、21世紀の現在、誰もが気軽に立ち寄れるレストランで味わったり、近所のスーパーで購入して自宅で楽しむなどと、ますます身近なものとなっています。それにともない、人々のワインの好みや楽しみ方もさまざまで、それは同じ人でもワインに親しむ年月の移ろいとともに変化するようです。
 
たとえば、ワインの入門として人気がある味わいは、大きく2つに分けられます。１つめは、ワインが仕上がるまでのプロセスを感じさせる、渋みの主張や樽の香りが感じられるもの、２つめは、葡萄の個性が生み出す甘さや香りがしっかり残るフルーティーなものでしょう。これらは、ワイン初心者と呼ばれる方々にもわかりやすく楽しめる味わいであることから、それを際立たせたワイン造りに力を注ぐ造り手が増えたことも、今日のマーケットの急速な拡大につながっていると思われます。一方で、受け手である消費者のワインに対する感覚や意識も急速に高まっています。愛好家の方々の非常に鋭い感性で、ワインから醸し出される葡萄の純粋さや優雅さだけでなく、葡萄の生育環境であるテロワールや造り手の心までもが深く理解されるようになってきています。
 
　葡萄の生育環境は自然に限りなく近くストレスのない状態であるべきであり、無理な大量生産では日本のワイン愛好家を満足させる深みのあるものは生み出されません。弊社がワインの取扱いで最もこだわるのは、さまざまな品種に合わせた葡萄の生育環境や醸造過程の管理です。それによって、お客様がワインを手に取り味わったときに、産地の風や造り手の心を感じてもらうことができると信じております。
 
　また、ワインは100％葡萄のみが使用されており、水を使用しません。葡萄本来の水分のみで造られています。そんなピュアな「農作物」ともいえるワインですから、人間の一方的な需要にまかせ、自然な状態から遠のくような手法、すなわち化学肥料や農薬の使用から葡萄に与えられるダメージは、人間の食の安全を脅かすことに通じます。弊社は、お客様が安心してその深い味わいを存分に楽しめるよう、愛情をもって造られたワインを常に探し求め、少しでも多くのお客様にお届けすることに全力で取り組んでまいります。